Smiley face
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女性はノートに事件に遭った日からの経緯や思いを書いている=2025年1月19日、大久保真紀撮影

 自筆で何度も何度も書き直した申立書に思いをつづった。

 「なぜ私だけがあの日のことを忘れられなくて前に進めないのか」

 送り先は、検察審査会(検審)。検察官が捜査した事件を裁判にかけず不起訴処分とした場合、被害者の申し立てなどを受けてその判断が正しかったのかを、選挙権をもつ国民の中からくじで選ばれた11人が、審査する。

 あの日――。2022年10月30日の深夜。福岡県春日市で女性(27)は「殺される」と思った事件に遭った。

 ジョギング中、背後から走ってくる見知らぬ男に気づいた。恐怖を感じて振り向き、後退したところ尻から転倒。覆いかぶさられた。

 約6秒間。男は顔の横に両手をつき、馬乗りの状態で見つめてきた。男が横に座り込んだすきに逃げ、通りかかったパトカーに助けを求めた。

 翌11月、強制わいせつ未遂容疑で男(当時37)が逮捕された。「酒に酔い、覚えていない」という。

勧められた示談

 福岡地検で何度か事情聴取を受けた。感じたことは「自分の被害は軽い」と見られているということだった。

 検事からは、覚えていることについて細かく話を聴かれた。だが、こうも言われた。

 「あなたは触られていない」

 「証拠が不十分。起訴しても…

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